「お盆に海へ行ってはいけない。」
「お盆に殺生をしてはいけない。」
子どもの頃、おじいちゃんやおばあちゃんから、このように言われた経験はありませんか。
当時は「どうして?」と思いながらも、理由までは教えてもらえず、何となく守っていたという人も多いでしょう。
大人になって改めて考えてみると、「本当にやってはいけないの?」「迷信なの?」「地域によって違うって聞いたけど…」と疑問に思うこともあるかもしれません。
実は、お盆に「やってはいけない」と言われていることの多くは、ご先祖様への感謝の気持ちを大切にするための教えや、昔の人が経験から生み出した生活の知恵、安全への配慮がもとになっています。
例えば、お盆に海や川へ近づかないという言い伝えも、霊的な意味だけでなく、夏の台風や急な増水、離岸流など、この時期に事故が起こりやすいことと関係しているという考え方があります。
また、お盆の風習は全国共通ではありません。
迎え火や送り火を行う地域もあれば、精霊流しを行う地域、お墓で迎え火を焚く地域など、その土地ならではの文化が受け継がれています。
つまり、「絶対にやってはいけない」というよりも、「なぜそのように言われてきたのか」を知ることが、お盆という行事を理解するうえで大切なのです。
この記事では、お盆にやってはいけないと言われる代表的なことを15項目に分け、それぞれの由来や意味、地域ごとの違い、現代ではどのように考えられているのかまで分かりやすく解説します。
昔から受け継がれてきた風習を知ることで、今年のお盆をご先祖様への感謝を込めて、より穏やかな気持ちで過ごすきっかけになれば幸いです。
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お盆とはどんな行事?

お盆は、ご先祖様や亡くなった大切な人の霊を自宅へお迎えし、感謝の気持ちを伝え、再び送り出す日本の伝統行事です。
一般的には8月13日から16日に行われますが、東京など一部地域では7月に行われる「新盆(7月盆)」、沖縄では旧暦に合わせるなど、地域によって時期は異なります。
現在のお盆は仏教行事として知られていますが、その起源は一つではありません。
仏教の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」に加え、日本古来の祖先信仰や、中国から伝わった中元節などが長い年月をかけて融合し、現在のお盆の形になったと考えられています。
そのため、お盆には宗教的な意味だけでなく、「家族が集まり、ご先祖様を思い出し、命のつながりに感謝する」という、日本ならではの文化が色濃く残っています。
だからこそ、この時期には昔からさまざまな作法や言い伝えが受け継がれてきたのです。
それではここから、お盆に「やってはいけない」と言われていることを一つずつ見ていきましょう。
お盆にやってはいけないこと15選
① 海や川へ行く
「お盆に海へ行くと霊に引っ張られる。」
子どもの頃、このような話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
昔から日本では、お盆の時期はご先祖様だけでなく、この世をさまよう霊も帰ってくると考えられていました。
そのため、「海や川には近づかない方がいい」という言い伝えが各地に残っています。
しかし、この言い伝えには現実的な理由もあると言われています。
お盆の頃は台風シーズンと重なり、急な高波や離岸流、川の増水など、水辺の事故が起こりやすい時期です。
昔の人は現在のように天気予報や災害情報を知る手段がありませんでした。
だからこそ、「霊に引っ張られる」という言葉で子どもたちへ危険を伝え、水辺へ近づかないようにしていたという考え方もあります。
現在でも、お盆の時期は水難事故が発生しやすい季節です。
遊びに行くこと自体が悪いわけではありませんが、天候や海・川の状況を十分確認し、安全を第一に考えて行動することが大切です。
② 殺生をする
お盆は、ご先祖様の霊を迎え、命への感謝を表す期間です。
そのため、昔から「できるだけ殺生は控えた方がよい」と言われてきました。
ここでいう殺生とは、動物を傷つけたり命を奪ったりすることだけではありません。
地域によっては、
- 魚釣り
- 狩猟
- 虫取り
なども控える風習があります。
もちろん、現代では地域や家庭によって考え方はさまざまです。
ですが、この教えの本質は、「命を大切にする心」を忘れないことにあります。
普段何気なく食べている食事も、多くの命によって支えられています。
お盆だからこそ、そのことへ感謝しながら過ごす時間にしてみるのもよいでしょう。
③ ご先祖様へのお供えを粗末に扱う
お盆には果物やお菓子、故人が好きだった食べ物などを仏壇へ供える家庭が多くあります。
お供えは「食べ物を渡す」という意味だけではありません。
「帰ってきてくださってありがとうございます。」
「いつも見守ってくださりありがとうございます。」
そんな感謝の気持ちを形にしたものです。
そのため、
お供えを投げるように置く。
乱雑に扱う。
傷んだまま放置する。
こうした行動は、昔から避けた方がよいとされてきました。
大切なのは、高価なお供え物を用意することではありません。
心を込めて準備し、感謝の気持ちを持つことです。
また、お供えした食べ物は、そのまま長期間置きっぱなしにせず、地域や家庭の風習に合わせて適切に下げましょう。
感謝の気持ちを込めていただいたり、家族で分けたりすることも、昔から大切にされてきた考え方の一つです。
ちょっとした豆知識
「お盆だから高価なお供え物をしなければいけない」と考える人もいますが、そのような決まりはありません。
昔から大切にされてきたのは、お供え物の値段ではなく、「ご先祖様を思う気持ち」です。
豪華さを競うよりも、「ありがとう」という感謝の心を忘れないことこそ、お盆の本来の意味と言えるでしょう。
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④ 迎え火・送り火を軽く考える
お盆には、ご先祖様を家へお迎えする「迎え火」と、お盆の終わりに再び送り出す「送り火」を行う地域があります。
昔の人は、迎え火の灯りをご先祖様が迷わず帰ってくるための目印、送り火を再びあの世へ戻るための道しるべと考えていました。
現在では住宅事情などから火を使うことが難しい家庭も多くなりましたが、その場合は提灯を飾ったり、静かに手を合わせたりするだけでも十分だと考える寺院もあります。
大切なのは、形式だけを守ることではありません。
「帰ってきてくれてありがとう。」
「また来年も待っています。」
そんな感謝の気持ちを持つことが、お盆本来の意味につながります。
⑤ 仏壇やお盆飾りをそのままにする
お客様が家へ来る前には部屋を掃除する人が多いでしょう。
それと同じように、お盆ではご先祖様を迎える前に仏壇やその周りをきれいに整える風習があります。
ほこりを払う。
花を飾る。
お供え物を用意する。
線香やろうそくを確認する。
どれも「お迎えの準備」です。
もちろん、仕事などで忙しく、完璧に準備できないこともあります。
それでも、「できる範囲で気持ちよく迎えよう」という気持ちは、ご先祖様への感謝を表すことにつながります。
仏壇がない家庭でも、故人の写真に手を合わせたり、好きだった花を飾ったりするだけで、心を込めた供養になるでしょう。
⑥ お墓参りを形式だけで済ませる
お盆といえば、お墓参りを思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし、お墓参りは「行けば終わり」というものではありません。
昔から、お墓を掃除し、花や線香を供え、手を合わせることには、一つひとつ意味があると考えられてきました。
墓石をきれいにすることは、ご先祖様への感謝を表すこと。
花を供えることは、故人を思う気持ちを形にすること。
手を合わせることは、自分や家族の近況を報告し、感謝を伝える時間でもあります。
子どもの頃、お墓参りへ行くと、祖父母が墓石を丁寧に水で洗い、落ち葉を拾いながら「きれいになると気持ちがいいね」と笑っていた姿を覚えている人もいるかもしれません。
当時は「どうしてそこまで丁寧に掃除するんだろう」と不思議に思っていても、大人になって同じ場所へ立つと、その意味が少し分かるようになります。
お墓をきれいにしていたのは、墓石のためではなく、ご先祖様を思う時間そのものを大切にしていたからなのかもしれません。
お墓が遠方にあり、なかなか足を運べない人もいるでしょう。
そのような場合は、無理をする必要はありません。
自宅で故人を思い出し、写真に手を合わせたり、心の中で感謝を伝えたりすることも、大切な供養の一つとされています。
豆知識
地域によっては、お墓で迎え火を焚いたり、お墓から火を持ち帰って提灯へ移したりする風習が残っています。
一方で、都市部では自宅の玄関先で迎え火を焚く地域や、火を使わず提灯だけを飾る家庭もあります。
このように、お盆の過ごし方には地域ごとの違いがあります。
そのため、「自分の地域と違うから間違っている」と考えるのではなく、それぞれの土地で受け継がれてきた文化として尊重することが大切です。
⑦ お盆中に家族や親族とケンカをする
お盆は、ご先祖様を迎える行事であると同時に、普段は離れて暮らす家族や親族が集まる機会でもあります。
久しぶりに顔を合わせるからこそ、昔の出来事や価値観の違いから、つい言い合いになってしまうこともあるでしょう。
しかし、昔から「お盆くらいは穏やかに過ごしなさい」と言われてきました。
これは、「ご先祖様が悲しむから」という意味だけではありません。
限られた時間だからこそ、お互いを思いやり、大切な時間を過ごしてほしいという願いも込められていたのです。
もちろん、意見が違うこと自体は悪いことではありません。
ですが、お盆は勝ち負けを決める日ではなく、家族やご先祖様とのつながりを改めて感じる日です。
少しだけ相手の立場を考え、笑顔で過ごせる時間を増やしたいものです。
⑧ ご先祖様への感謝を忘れる
現代では、お盆は「夏休み」や「大型連休」というイメージを持つ人も少なくありません。
旅行へ出かけたり、友人と遊んだりすることもあるでしょう。
もちろん、それ自体が悪いわけではありません。
ですが、お盆の本来の意味は、ご先祖様へ感謝し、命のつながりを振り返ることです。
今の自分がいるのは、両親や祖父母、そのまた前のご先祖様が命をつないできてくれたからです。
普段は意識しなくても、お盆の数日だけでも手を合わせ、「ありがとう」と心の中で伝える時間を持つことは、とても意味のあることではないでしょうか。

⑨ 地域や家庭の風習を否定する
「うちではそんなことはしない。」
「そのやり方は間違っている。」
お盆の話になると、地域や家庭によって考え方が違うため、このような会話になることがあります。
実際、日本のお盆には全国共通のルールがあるわけではありません。
迎え火を焚く地域もあれば、提灯だけを飾る地域もあります。
精霊馬を飾る家庭もあれば、飾らない家庭もあります。
お墓参りの日程も、お供え物も地域によってさまざまです。
どれが正解で、どれが間違いというものではありません。
それぞれの土地で、長い年月をかけて受け継がれてきた文化なのです。
もし親戚の家で、自分の家とは違う風習を見かけたとしても、「違うからおかしい」と考えるのではなく、「こんな文化もあるんだ」と受け止めることができれば、お盆という行事をより深く楽しめるでしょう。
子どもの頃は分からなかったこと
子どもの頃、お盆になると親や祖父母はいつもより少し忙しそうでした。
仏壇を掃除し、花を飾り、お供え物を並べ、お墓へ向かう準備をしていました。
その姿を見ながら、「どうして毎年こんなことをするんだろう」と不思議に思っていた人もいるでしょう。
大人になると、その意味が少しずつ分かってきます。
それは、形式を守るためではなく、大切な人を忘れないため。
一年に一度でも家族が集まり、故人を思い出し、昔話をする時間をつくるため。
そう考えると、お盆は単なる伝統行事ではなく、人と人とのつながりを見つめ直す時間でもあるのかもしれません。
⑩ 夜更かしや不規則な生活ばかりする
お盆は連休になることも多く、夜更かしをしたり、昼夜逆転の生活になったりしがちです。
もちろん、家族や親しい人と久しぶりに会い、夜遅くまで語り合う時間も大切でしょう。
しかし、昔からお盆は「心と体を整え、ご先祖様を静かに迎える期間」とも考えられてきました。
寝不足や疲れが続くと、気持ちにも余裕がなくなります。
家族との時間を楽しめなくなったり、事故や体調不良につながったりすることもあります。
お盆だからこそ、無理をせず、心身を整えながら穏やかに過ごすことも大切なのです。
⑪ お供え物を長期間そのままにする
果物やお菓子、故人が好きだった食べ物など、お盆にはさまざまなお供え物を用意します。
しかし、お供えしたまま何日も放置すると、夏の暑さで傷んでしまうことがあります。
昔から、お供え物は「感謝の気持ちを伝えた後は適切な時期に下げる」のがよいとされてきました。
これは、ご先祖様への失礼を避けるためだけではありません。
食べ物を粗末にしないという考え方にもつながっています。
地域や宗派によって違いはありますが、お供えを下げた後は家族でいただいたり、近所へおすそ分けしたりする風習も残っています。
「いただくことも供養の一つ」という考え方が受け継がれている地域も少なくありません。
⑫ お盆飾りや精霊馬を雑に処分する
お盆が終わると、精霊馬やお盆飾りを片付けます。
このとき、「もう使わないから」と乱暴に扱うのではなく、感謝の気持ちを持って片付けることが大切だと考えられてきました。
地域によっては、お寺や神社でお焚き上げを行うところもあります。
一方で、近年は環境への配慮や住宅事情から、自治体のルールに従って処分する家庭も増えています。
大切なのは処分方法だけではありません。
ご先祖様を迎えるために準備したものへ、「今年もありがとうございました」という気持ちを持つことが、お盆の心を大切にすることにつながります。
⑬ 精霊馬を「飾り」だけで終わらせる
きゅうりの馬と、なすの牛。
子どもの頃、「どうして野菜に足が付いているの?」と不思議に思った人もいるでしょう。
精霊馬には、
「馬に乗って少しでも早く家へ帰ってきてほしい。」
「牛に乗って、お供え物や思い出を持ちながら、ゆっくりあの世へ戻ってほしい。」
そんな願いが込められていると言われています。
地域によって意味や飾り方には違いがありますが、どれもご先祖様を思う気持ちから生まれた風習です。
形だけを真似するのではなく、その意味を知ることで、お盆という行事をより身近に感じられるでしょう。
⑭ 地域のお盆行事を軽く考える
送り火、盆踊り、精霊流し、灯籠流し。
全国には、お盆ならではの行事が数多く残されています。
これらは単なるイベントではありません。
地域の人々が何世代にもわたって受け継いできた、大切な文化です。
もちろん、すべてに参加する必要はありません。
ですが、もし機会があるなら、一度足を運んでみてください。
そこには、本やインターネットだけでは伝わらない、お盆本来の空気や、人と人とのつながりを感じられる時間があります。
地域の文化を知ることは、自分たちのルーツを知ることにもつながるのです。
⑮ お盆を「ただの連休」と考える
お盆は旅行や帰省を楽しむ時期でもあります。
そのため、「夏休みの一部」という印象を持つ人も少なくありません。
もちろん、家族旅行や久しぶりの再会を楽しむことは素晴らしいことです。
しかし、お盆にはもう一つ、大切な意味があります。
それは、命のつながりを振り返り、ご先祖様へ感謝することです。
忙しい毎日を送っていると、自分がどれだけ多くの人に支えられて生きているかを考える機会は少ないかもしれません。
だからこそ、お盆は立ち止まる時間なのです。
家族と昔話をする。
アルバムを開いて故人を思い出す。
仏壇やお墓で静かに手を合わせる。
ほんの数分でも構いません。
その時間は、ご先祖様だけでなく、自分自身の人生を見つめ直す時間にもなるでしょう。
お盆は「何をしてはいけないか」だけを気にする行事ではありません。
「誰に感謝し、どのような気持ちで過ごすか」を大切にする、日本ならではの温かい文化なのです。
お盆の風習は地域や宗派によって異なる

ここまで、お盆に「やってはいけない」と言われることを紹介してきました。
しかし、一つ知っておいていただきたいことがあります。
それは、お盆の風習に「全国共通の正解」はないということです。
日本は南北に長く、地域ごとに歴史や文化、宗派が異なります。
そのため、お盆の迎え方や送り方、お供え物、行事の内容も少しずつ違っています。
「自分の地域ではやらない。」
「祖父母の家ではやっていた。」
そのどちらも間違いではありません。
お盆の時期も地域によって違う
多くの地域では8月13日から16日にお盆を迎えます。
一方、東京都の一部やその周辺では7月13日から16日に行われる「新盆(7月盆)」が一般的です。
また、沖縄や奄美地方などでは旧暦に合わせてお盆を迎えるため、毎年日程が変わります。
つまり、「お盆は8月」と思っている人もいれば、「7月がお盆」という人もいるのです。
行事にもさまざまな違いがある
例えば、お盆に行われる代表的な風習を見ても、地域によって特徴があります。
- 迎え火・送り火を焚く地域
- 灯籠流しを行う地域
- 精霊流しで故人を送る地域
- 盆踊りを盛大に行う地域
- お墓で迎え火を焚く地域
- 自宅で提灯だけを飾る家庭
どれも、それぞれの土地で長く受け継がれてきた大切な文化です。
「自分の地域とは違うから間違っている」と考える必要はありません。
むしろ、その違いこそが日本文化の豊かさと言えるでしょう。
宗派によって考え方も異なる
仏教にはさまざまな宗派があります。
宗派によっては、迎え火や送り火を重視するところもあれば、特に行わないところもあります。
精霊馬を飾る家庭もあれば、飾らない家庭もあります。
また、お供え物やお盆飾りの内容にも違いがあります。
そのため、「インターネットで見た方法が唯一の正解」と思う必要はありません。
分からない場合は、地域のお寺や、家族・親族へ確認するのが一番安心です。
代々受け継がれてきた風習には、その土地ならではの意味が込められていることが多いからです。
一番大切なのは「感謝の心」
ここまでさまざまな風習を紹介してきましたが、どの地域にも共通していることがあります。
それは、ご先祖様を思い、感謝する気持ちです。
迎え火を焚くかどうか。
精霊馬を飾るかどうか。
お供え物が何か。
それらももちろん大切ですが、それ以上に大切なのは、「今の自分があるのは、ご先祖様や家族のおかげ」という気持ちではないでしょうか。
形式だけを気にして不安になる必要はありません。
地域や家庭で受け継がれてきた文化を大切にしながら、自分なりの感謝の気持ちを持ってお盆を過ごすことが、お盆本来の意味につながるのです。
お盆に関するよくある質問(FAQ)
Q1. お盆中に旅行へ行っても大丈夫ですか?
はい、旅行へ行くこと自体に問題はありません。
昔は、お盆はご先祖様を迎える大切な期間であるため、できるだけ自宅で過ごすべきだという考え方が一般的でした。
しかし、現代では仕事や家庭の事情もさまざまで、お盆休みを利用して旅行へ出かける人も多くいます。
大切なのは、「旅行へ行くかどうか」ではなく、ご先祖様へ感謝する気持ちを忘れないことです。
出発前や帰宅後に仏壇へ手を合わせたり、お墓参りができるタイミングを見つけたりするだけでも、お盆の意味を大切にすることができるでしょう。
Q2. お盆に海や川へ行ってはいけないのは本当ですか?
昔から「霊に引っ張られる」という言い伝えがありますが、これは地域によって考え方が異なります。
一方で、お盆の頃は台風や高波、離岸流、川の増水など、水難事故が起こりやすい時期でもあります。
そのため、昔の人が子どもたちを危険から守るために、このような言い伝えを残したという説もあります。
現在でも、海や川へ行く場合は、天候や安全情報を確認し、無理をしないことが何より大切です。
Q3. お盆に掃除や洗濯をしてもいいのでしょうか?
基本的には問題ありません。
一部地域では、「迎え火の後は掃除を控える」「送り火までは水仕事を控える」といった風習が残っていますが、全国共通の決まりではありません。
むしろ、お盆を迎える前に仏壇や家の中をきれいに整えることは、多くの地域で大切にされています。
地域や家庭の風習を尊重しながら、無理のない範囲で過ごしましょう。
Q4. お盆中に引っ越しや結婚式をしても問題ありませんか?
法律や宗教上、「お盆だから引っ越しや結婚式をしてはいけない」という決まりはありません。
ただし、お盆は帰省や法要を行う家庭も多いため、親族の予定や地域の風習を考慮して日程を決める人もいます。
もし家族や親族が大切にしている風習がある場合は、一度相談しておくと安心です。
Q5. お盆にやってはいけないことを守らないと、何か悪いことが起こるのでしょうか?
「必ず悪いことが起こる」と考える必要はありません。
お盆の言い伝えの多くは、ご先祖様への感謝や、人とのつながりを大切にする気持ち、安全への配慮などから生まれたものです。
大切なのは、「怖いから守る」のではなく、「意味を知ったうえで、自分なりに大切にする」ことではないでしょうか。
昔から受け継がれてきた文化には、その時代を生きた人たちの知恵や思いが込められています。
その背景を知ることで、お盆という行事をより深く感じられるようになるはずです。
まとめ
お盆には、「海や川へ行ってはいけない」「殺生をしてはいけない」「迎え火や送り火を大切にする」など、昔から数多くの言い伝えや風習が受け継がれています。
一見すると、「やってはいけないこと」ばかりが並んでいるように感じるかもしれません。
しかし、その意味を知ると、多くは人を縛るための決まりではなく、ご先祖様への感謝や家族とのつながり、そして大切な命を守るための知恵であることが分かります。
もちろん、現代では生活環境も価値観も大きく変わりました。
住宅事情から迎え火を焚くことが難しい家庭もあります。
遠方に住んでいて、お墓参りへ行けない人もいるでしょう。
地域や宗派によって風習が異なることも珍しくありません。
だからこそ、「絶対にこうしなければならない」と考える必要はありません。
一番大切なのは、ご先祖様を思い、今の自分があることに感謝する気持ちです。
仏壇へ手を合わせる。
故人との思い出を家族で語り合う。
お墓をきれいに掃除する。
好きだった食べ物をお供えする。
どれも、ご先祖様とのつながりを感じる大切な時間になります。
忙しい毎日を送っていると、自分がどれだけ多くの人に支えられて生きているかを考える機会は意外と少ないものです。
お盆は、そんな日々の忙しさから少し離れ、命のつながりや家族との時間を見つめ直す、日本ならではの文化なのかもしれません。
子どもの頃には分からなかった祖父母の言葉も、大人になって振り返ると、その一つひとつに優しさや思いやりが込められていたことに気づきます。
「危ないから海へ行ってはいけない。」
「ご先祖様を大切にしなさい。」
その言葉の奥には、「元気でいてほしい」「家族を大切にしてほしい」という願いがあったのでしょう。
今年のお盆は、ただ風習を守るだけではなく、その意味にも少しだけ目を向けてみてください。
きっと、ご先祖様への感謝だけでなく、今そばにいる家族や友人、そして自分自身の人生を見つめ直す、かけがえのない時間になるはずです。
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- 日本には、お盆以外にも古くから受け継がれてきた風習や言い伝えが数多くあります。
その背景や意味を知ることで、何気なく過ごしていた日常が少し違って見えてくるかもしれません。



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